成田空港を拠点とするLCC、バニラ・エアは運行に必要な機長の数が計画通りに確保できなくなったため、6月に154便を欠航することを発表している。国内線に就航しているLCCでは、関空を拠点とするLCC、Peachが同じく機長不足を理由として最大で2,000便の欠航を発表しており、LCC各社が機長の確保が難しい状況となっている。
バニラ・エアのお知らせは以下より。
6月計画欠航のお詫びとご案内 | 【公式】バニラエア (Vanilla Air) – 国内 海外 格安航空券 LCC 飛行機の検索・予約
弊社では、6月の運航計画に必要な運航乗務員(機長)数が確保できなくなったため、同月の運航計画を見直し、月間154便を欠航させていただくこととなりました。お客様に多大なるご不便、ご迷惑お掛けいたしますことを心よりお詫び申し上げます。
欠航便を予約している顧客に対しては、払い戻しまたは振替便の案内を順次行っているとのこと。
欠航対象となるのは主に成田 ⇔ 新千歳便で、欠航対象の154便のうち120便を占める。
バニラ・エアの欠航は154便と、Peachの最大2,000便に比べると規模が小さく見えるものの、バニラ・エアが6月に運行予定だった国内線は480便となっているため、国内線の約3分の1が欠航する見通し。
バニラ・エア 来月、新千歳発着120便欠航 機長不足-北海道新聞[経済]
6月に運航予定だった国内線480便のうち、新千歳―成田線120便と那覇―成田線34便の計154便を欠航すると発表した。予約客2551人に対しては、振り替えや払い戻しに応じる。
バニラ・エアは欠航の発表に伴って会見を開き、機長の病欠や退職が重なったほか、採用についても予想通りに進んでいない状況を説明している。採用が計画通りに進まない理由は、機長の乗務時間が少ないために、支払される報酬額が少なく金銭的な魅力が無いなどの理由が説明された。
格安航空、機長不足で逆風 ピーチに続きバニラも減便 :日本経済新聞
LCCのパイロットの報酬は乗務時間に応じて決まる。先行する他社が月70~80時間なのに対し、昨年末就航したばかりのバニラは当初平均で月30時間前後。報酬が少ないためパイロットにとって魅力が低く、「採用が計画通りに進まなかった」(石井社長)という。
航空機の運航に必要なコストを抑えることで低価格の実現を可能とするLCCにとっては、機長の人件費を上げることは容易では無い上に、世界的にも機長の需要が増えることが予想されているため、LCCにとっ必要になる機長の確保は大きな課題となりそう。