2014年10月より、MVNO各社が月額料金そのままでデータ通信量を増量しているので、10月よりサービス改定を行ったIIJ/OCN/So-netの料金プランを比較。
- IIJ:最安プランは900円で2GB/月、ファミリーシェアプランは7GBで2,560円(SIMカード最大3枚)
- OCN モバイル ONE:最安プランは900円/月で1日70MBに
- So-net PLAY SIM:他社よりも料金は少し安く、データ通信量は少し多く
IIJは、提供中のデータ通信プランについてデータ通信量を10月より倍増。その結果、各社が追従してデータ通信量を増加する流れを作った。
900円/月プラン:1GB ⇒ 2GB/月
1,520円/月プラン:2GB ⇒ 4GB/月
2,560円/月プラン:3GB ⇒ 7GB/月(SIMカード最大3枚)
※価格は税抜き
最安の900円/月プランではデータ通信量が1GBから2GBへと増量しているほか、SIMカードが最大で3枚まで利用可能な『ファミリーシェアプラン』では、同一の料金で利用可能な通信量が3GB ⇒ 7GBと増加している。
■データ通信増量後の料金プラン(IIJ)
同社は音声通話対応のプランも『みおふぉん』というサービス名称で提供しており、上記のデータ通信プランに + 700円/月で、音声通話を利用することが可能となる。
みおふぉんのサービス説明については以下より。
IIJmio:サービス概要
IIJの料金プランの中で面白いのはSIMカードを3枚まで発行できる『ファミリーシェアプラン』で、例えばSIMカードを最大で3枚発行し、そのうち2枚のSIMカードを音声通話対応とする場合は、3枚のSIMカードを合計4,000円/月以下で利用可能な計算となる。
[IIJ – ファミリーシェアプランの料金]
ファミリーシェアプラン料金:2,560円/月 (通信量は全体で7GB/月)
音声通話対応SIM利用料:700円/月 * 2 = 1,400円/月
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合計料金:3,960円/月
※音声通話の料金は別途発生。
・音声通話対応のSIMカードは2枚(電話番号は別)
・データ通信量の合計は3枚のSIMカード全体で7GB/月
となり、例えば二人家族で音声通話用の電話番号を別々に持った上で、データ通信用のSIMカードを1枚追加で持つことが、月額4,000円以下で可能となる計算。
また、IIJは利用しなかった通信量(バンドルクーポン)を翌月末まで繰り越すことが可能になっており、例えばファミリーシェアプランを契約して、10月分の通信量が2GBだった場合、残りの5GB分は11月末まで利用可能となるため、11月分として新規に付与される7GBと合わせて、11月中のデータ通信量が12GB使える計算となる。
OCN モバイル ONEは、10月1日以降に利用可能なデータ通信量を増加することを9月30日に発表。
先行してデータ通信量が増加することを発表していたIIJに対抗する形でデータ通信量の増加を発表した。
OCN モバイル ONEは、IIJでは提供されていないプランとして、日次プラン(1日あたりのデータ通信量を制限)を提供しており、10月からは日次プランでそれぞれ利用可能なデータ通信量が20MB/日増加、月次プランではデータ通信量が倍増している。
■OCN モバイル ONEデータ通信プラン(2014年10月以降)
OCN モバイル ONEとIIJで提供されている料金プランのうち、データ通信量が同一のものを比較すると、2GB/月のプランではOCNの方が料金が高く、4GB/月のプランではOCNの方がIIJよりも料金が安くなっている。
OCN モバイル ONEは、全てのコースで『容量シェアSIM』としてSIMカードを追加可能。SIMカードの追加に係る費用はSIMカード追加時に1,800円(税抜)、月額料金が450円/月となっており、IIJのファミリーシェアプラン(7GB)ほどの容量は要らないけれど、複数の端末でデータ通信を行いたい。という場合は便利に使える。
■OCN モバイル ONE:容量シェアSIM
OCN モバイル ONEの申込は以下より。
月額972円(税込)からのLTE「OCN モバイル ONE」
IIJ、OCNに続いてデータ通信量の増量を発表したのはSo-net。10月1日からのデータ通信量の増量を10月1日付けで発表した。
So-netの『PLAY SIM』は日次サービスで利用可能なデータ通信量を増量。同価格帯の日次プランでは、OCN モバイル ONEよりも利用可能なデータ通信量が多くなっている。
So-netのプレスリリースは以下より。
プレスリリース | So-net 会社情報
■So-net PLAY SIMのデータ通信量
880円/月プラン:50MB/day ⇒ 80MB/day (プラン80M/day)
1,278円/月プラン:80MB/day ⇒ 135MB/day (プラン135M/day)
※価格は税抜
OCN モバイル ONEの日次プランと比べると、価格が若干安く設定されている上、通信量は少し多く設定されており、前日(9月30日)に発表されたOCN モバイル ONEの改定後の料金プランを意識したプランになっている。
■So-net『PLAY SIM』料金
また、So-netの『PLAY SIM』はAmazon.co.jp限定で月額料金880円で通信量1.1GBまでのプランを提供しており、このAmazon限定プランでは通信量が2GB/月までに増加されている。通信量が2GBまでのプランでは、IIJやOCN モバイル ONEよりも月額料金が安く設定されており、価格と月額料金だけを見れば最もコストパフォーマンスが高くなっている。(但し、プロバイダ間で差がある実行速度などの点は考慮していない)
ただし、So-net PLAY SIMはIIJの音声通話対応プラン(みおふぉん)、あるいはOCN モバイル ONEの『容量シェアSIM』のような『オリジナル』と呼べるようなサービスが無く、他社の料金プランよりも少し安く、あるいはデータ通信量を少し多くしているだけ。という印象も受ける。
So-net PLAY SIMのサービス詳細&申込は以下より。
So-net PLAY SIM – So-net
MVNO各社によるデータ通信プランは、月額料金の値下げやデータ通信量の増量など、ユーザとしては嬉しいサービス改善が進んでおり、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社が音声通話定額を中心とした『新料金プラン』にシフトしている中で、音声通話を使わないユーザや、月額料金を抑えたいユーザにとっては貴重な選択肢となりつつある。
IIJの『みおふぉん』のように、音声通話に対応するプランも登場しており大手3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)からMNPで乗り換えてのMVNO利用も増えているので、今後の各社の動向には注目したいところ。