日本通信、2015年3月期 第3四半期決算を発表 – VAIOスマホは2月以降に発売へ

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日本通信が行った2014年度第3四半期の決算発表に関するメモ。

日本通信の決算発表については、発表内容の動画と資料が公開されている。
2015年3月期(第19期)第3四半期 決算説明会動画配信(機関投資家・アナリスト向け)|日本通信株式会社

YouTubeに公開されている動画は以下より。

日本通信の決算発表の中では、2014年の市場環境として『格安スマホ』が一気に普及したものの、『値段は安いかもしれないけれど、製品自身はそんなに良くない、二流の端末』(三田社長)あるいは『安いからしょうがなく使っている状況』(福田副社長)であるとし、これに対して同社が発売予定の『VAIOスマホ』は『あの製品が欲しい』と言われる商品になる。とアピールした。ただし『VAIOスマホ』の詳細スペックなどは明らかにされていない。

発売予定となっている『VAIOスマホ』については、改めてVAIO株式会社と製品発表を行うとされ、四半期決済では『箱』がチら見せされるに止まった。他社の格安スマートフォンを『二流』あるいは『日本メーカーでは(発売から)1年落ちの機種』と、手厳しい指摘をした日本通信がどんな端末を投入するのかは期待したいところ。

■『格安スマホ』が氾濫していることを危惧していると説明
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月額課金SIM(データ通信):契約数は79,000件近くに増加 – ARPUは1,076円、前年同期比約20%減

■月額課金SIM(データ通信)の契約数は79,000件近くに増加
日本通信 2014年度第3四半期決算発表

発表された資料によると、月額課金SIM(データ通信)の契約数ピークは2014年の3月で、契約数は88,000件前後。その翌月の2014年4月には一気に66,000件程度まで減少したものの、14年12月時点では79,000件前後まで回復させている。

月額課金SIM(データ通信)のARPUは1,076円で、4四半期連続で減少。前年の同期(第3四半期)との比較では1,313円 ⇒ 1,076円と、約20%減少している。

日本通信 2014年度第3四半期決算発表

月額課金SIM(音声対応):契約数は48,000件近くに増加 – ARPUは1,216円で横ばい

■月額課金SIM(音声対応):契約数は1年間で大幅増加
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日本通信の月額課金SIM(音声対応)のピークは2014年3月で、契約数はおよそ55,000件。これは、後述するMNP転出して他社からキャッシュバックを受け取るための『キャッシュバック狙い』の契約が多いことが予想され、該当月を含む四半期の解約率が他の四半期と比べると非常に高くなっている。

ただし、基本的には2014年4月から順調に契約数を増やしており、契約数は4月のおよそ35,000件から12月には48,000件まで増加している。

■月額課金SIM(音声通話):ARPUは横ばい
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音声通話対応SIMのARPUは約1,200円で、前述のデータ通信SIMと比べてそれほど差は無く、個人的には予想していたよりもかなり低い数字。

と言うのも、日本通信の提供する音声通話対応プランの中で、最安価格帯の『携帯電話SIMプラン』の音声プランS(公式サイト)が月額1,290円(税別)となっており、音声対応SIMのARPU(直近の四半期で1,216円)と大きく変わらない金額。

解約率は低下傾向:MNPキャッシュバック狙いの解約は多数

月額課金SIMの解約率については前年度と比べて低下傾向にあり、直近の四半期では3.7%となっている。

『MNPキャッシュバック狙いと想定される1カ月内解約を含めた』グロス解約率は、それ以外のユーザの解約率とおおよそ4%の乖離となっているものの、年度末を含む四半期には『グロス解約率』が16%と他の四半期に比べて非常に高い数値となる。これは、年度末に携帯電話各社のインセンティブが積み増しされ、MNP転出元の回線として日本通信の音声通話回線が使われるためと思われる。
※前述の音声対応SIMの契約数が3月に急激に増加するのも、同じ理由と思われる

■月額課金SIM 解約率
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まとめ:VAIOスマホと通信品質の改善に期待

日本通信は、2014年における市場トピックスとして『格安スマホ』が普及(日本通信は”氾濫”と表現)しているものの、端末自体の魅力が薄いことが課題であるとし、ここに『VAIOスマホ』を投入するとアピール。いわゆる『格安スマホ』日本の消費者にとって『魅力のある端末が少ない』とする日本通信の主張は一定理解できるので、端末としての『VAIOスマホ』には期待したいところ。

ただし、最近の日本通信の動きを見ていると、通信回線については日本通信自身が『格安スマホ』に対して指摘した『安かろう。悪かろう』の路線になっているようにも感じており、端末だけでなく回線についても『指名買い』されることを目指して欲しいところ。(目指してはいると思うのだけれど…)