総務省は、大手の携帯電話事業者(ドコモ/KDDI/沖縄セルラー/ソフトバンク/ウィルコム沖縄)に対し、行き過ぎたスマートフォンの値引きの抑制を要請。前述の5社に対して過剰な割引の抑制を要請するだけでなく、携帯電話販売店などで「行き過ぎた割引」を目撃した際は、指定の総務省窓口までメールにて連絡を行うように、広く国民に対して協力を呼びかけしている。
総務省の「端末販売の適正化の取組に係る情報提供窓口」設置に関する情報は以下。
総務省|テレコム競争政策ポータルサイト|端末販売の適正化の取組に係る情報提供窓口
情報提供の対象として記載されている内容は以下。
情報提供の対象
行き過ぎたスマートフォンに係る端末価格割引・キャッシュバック等(スマートフォンの端末の購入を条件とした割引・キャッシュバック等が、端末価格相当を上回るもの)
メールに記載頂きたい内容(1)携帯電話事業者の名称(株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、ソフトバンク株式会社又は株式会社ウィルコム沖縄に限る。)、
(2)端末の機種名(スマートフォンに限る。)、
(3)割引・キャッシュバック等の額、
(4)割引・キャッシュバック等の条件※1
の4点が確認できる店頭ポスターやチラシ等をスキャン又は撮影した画像ファイルの添付
なお、ウイルスチェックを行うため、添付ファイルにはパスワードを掛けないようお願いいたします。
実際に、スマートフォン関連での割引については、2月1日より割引額が減額されることで「実質値上げ」となった機種も多く、1月末には駆け込み需要で店頭が混雑するなどの影響も見られた。
各キャリアに対して「割引の抑制を要請」するだけでなく、広く国民に対しても情報提供を呼びかけるなど、一見すると総務省の「本気」が感じられるものの、情報提供の対象には「スマートフォン」のみが記載されており、スマートフォン以外のフィーチャーフォン、タブレット、モバイルWi-Fiルータなどの各種デバイスに対する割引抑制については特に記載がされておらず、これらの機種については端末に対する割引やキャッシュバックなどの還元が端末購入価格を上回った場合でも、通報(情報提供)の対象にはなっていない
「実質0円終了」とも騒がれた一連の騒動だけれど、実際には「キャッシュバックなどの還元が端末価格を上回る場合(対象はスマホのみ)」とされており、「一括0円」および「実質0円」そのものは、総務省への情報提供の対象外となっている。
また、ドコモでは「0円以下の販売を2月より慎む」としているものの、2月17日(水)発売となるモバイルWi-Fiルータ「Wi-Fi STATION N-01H」は、本体価格が21,384円(税込)、月々サポートの総額が21,384円となっており、いわゆる「実質0円」にて発売される。
ドコモ加藤社長の発言内容については、ケータイWatchにて紹介されている。
ドコモ加藤社長、「0円販売は2月からやめる」 – ケータイ Watch
「端末機器販売は、(かつての)MNPで行き過ぎたキャッシュバックで大幅な値引きがあった。これを是正しながら不健全さを解消していきたいと進めてきたが、タスクフォースがあって総務大臣から要請を受けた。ドコモでは2月から0円以下の販売になるようなものは謹んでいきたい」(加藤氏)
そんなわけで、総務省への通報の対象にはならないフィーチャーフォン・タブレット・モバイルWi-Fiルータなどが、「一括または実質0円より安い」価格にて販売される可能性は引き続き残りそう。