UQコミュニケーションズは、Huawei製のモバイルWi-Fiルータ『W01』を発表。1月30日よりUQコミュニケーションズおよびMVNO各社にて販売予定。新サービス・新デバイス発表会にて確認したW01の魅力をご紹介。
■キャリアアグリゲーション対応によって下り最大220Mbpsに対応する『W01』
- キャリアアグリゲーション対応によって下り最大220Mbpsに対応
- 屋外でも5GHz帯を利用可能、安定したWi-Fi接続が可能に
- 本体サイズは薄く、重さも軽量化
- デメリット:連続通信時間は2+接続で8時間に短縮、バッテリ交換には非対応
- デメリット:WiMAX通信に非対応
W01が対応する通信方式は、WiMAX 2+およびauの4G LTEの2つ。このうち、WiMAX 2+については3月末のファームウェア更新によってキャリアアグリゲーションに対応予定で、キャリアアグリゲーション対応エリアでは下り最大220Mbpsの速度で利用できるようになる。
※auの4G LTE(FDD-LTE)のキャリアアグリゲーションには非対応。
CA対応する基地局数などの具体的な数値については、発表会でもコメントが無かったもののCA対応基地局の展開については、1年以内には全国展開を見込んでいるとされているため、2016年3月末にはCA対応基地局が全国に展開される予定。
WiMAX 2+のCA対応は、既存のWiMAXで使用中の周波数帯の30MHz幅のうち20MHzをWiMAX 2+に割り当てて実現されるため、2+のCA対応エリアではWiMAXの通信速度が40Mbps ⇒ 13.3Mbpsに減速予定。地域別に言うと、東名阪エリアなどについては対応が後の方になる。という説明があり、首都圏などのエリアではWiMAX 2+のCA対応は他のエリアよりも遅くなる見込み。
■CA対応エリアは『全国順次エリア化』
そう言った点を踏まえて、発表会では『都会派』とされた『WX01』に対して『W01』は『エリア派』と紹介され『全国どこでも使える』ことが端末のアピールポイントとして紹介されている。
■『エリア派』と紹介されたW01
一方、W01はUQコミュニケーションズが発売する機種としては初めて『WiMAX』方式に非対応となり、CA対応基地局の広がりと合わせて、初代WiMAXサービスからの世代交代を感じさせる一台。
W01はIEE802.11acに対応。5GHz帯のWi-Fi接続は屋外でも利用可能となり、従来端末と比べてWi-Fi接続時の通信品質の改善に期待ができる。
WiMAX 2+対応端末では、NAD11もIEEE802.11acに対応していたものの、NAD11の5GHz帯は対応する規格の違いから屋外では利用することができなかったため、W01(およびWX01)では屋内外でのWi-Fi接続時の通信速度が改善することになる。
特に、都市部など2.4GHz帯のWi-Fiスポットが多い地帯では、モバイルWi-FiルータのWi-Fi接続が不安定になったり通信速度が低下することが多く、WiMAX 2+対応のモバイルWi-FiルータにおいてもWi-Fi部分がボトルネックになっていると感じることもあったので、Wi-Fiの5GHz帯の対応および屋内外で利用可能となるのは非常に嬉しい改善と思う。
※ちなみに、据置用のURoad-Home2+についてはIEEE802.11acに非対応。
W01は本体の厚さが10mmと、Huawei製のWiMAX 2+対応ルータとしては過去最薄。重さも従来製品(HWD14/HWD15)の140gから113gへと軽量化された。
■HWD15とW01の比較
従来のHWD14/HWD15と比べると『平べったくなった』感じで、本体の形状はW01とWX01で近い形状になっている。
一方で、HWD14やHWD15と比較してのデメリットとしては通信時間の短縮がある。W01の連続通信時間はWiMAX 2+接続時最大8時間と、HWD14の9時間、HWD15の10時間と比較して過去のHuawei製のWiMAX 2+対応端末の中で最短。(連続通信時間は全てWiMAX 2+接続時で比較)
連続通信時間が近いWiMAX 2+対応端末としては、連続通信時間7時間のNAD11があり、NAD11を実際に塚手居ると他のモバイルWi-Fiルータと比べてもかなり連続通信時間が短く感じるので、W01の連続通信時間が8時間になっているのは、やや不安。
と言うのも、NAD11およびWX01などNECプラットフォームズ製のモバイルWi-Fiルータはバッテリが交換可能なため、バッテリが切れたら予備のバッテリに交換すればok。という割り切りが出来るものの、W01はバッテリ交換に非対応となっているので、電源が切れそうになったら別途モバイルバッテリーからの充電などが必要となる。
モバイルWi-Fiルータは『カバンに入れっぱなしで使うので本体が大きくてもバッテリが大きい方が良い』というニーズも一定あるため、W01が従来製品よりもバッテリ容量を小さく、本体サイズを薄型&軽量化したのは好みが分かれるかも。
ネットワークの部分でカンタンに紹介したけれど、W01は初代のWiMAXには非対応となっており、通信モードとしてはWiMAX 2+に接続する『ハイスピードモード』と、WiMAX 2+&au 4G LTEに接続する『ハイスピードプラスエリアモード』の2つのみに対応。
UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+対応の基地局数を現時点で20,000局、3月末までに22,000局に拡大予定としており、3月末には現行のWiMAXとほぼ同等のエリアが構築できるとアピール。
■WiMAX 2+エリア展開について
UQコミュニケーションズの説明通り、現行のWiMAXエリアと同等にWiMAX 2+のエリアが構築できるのであればユーザとしては特に不都合は無いけれど、UQコミュニケーションズの端末としては初となるWiMAX非搭載端末がどの程度のエリアで使えるのか?は気になるところ。
W01は、Huawei製のWiMAX 2+対応モバイルWi-Fiルータとしては第3弾となり、第1弾のHWD14から第2弾のHWD15が大きな変化の無い『正常進化』となっていたのと比較すると、WiMAX 2+のCA対応と同時に端末形状の変更や、WiMAX対応の見送りなどの大きな変更が加えられている。
CA対応による下り最大220Mbpsへの対応や、Wi-Fiの5GHz対応などは素直に評価すべきポイントである一方で、連続通信時間の短縮や通信関連ではWiMAXに非対応などの点が実際の使い勝手にどの程度影響するのか?は少々心配なところ。
W01は1月30日に発売予定となっており、端末が発表された15日(木)にはMVNO各社からキャンペーン内容が公開されている。各社ともにクレードルセットで端末代が無料となる上に、キャッシュバックは15,000円 〜 20,000円前後と、下り最大220Mbpsに対応する最新端末にしては、発表直後からかなり手厚いキャンペーンが行われているように思う。
@nifty WiMAXのキャンペーンは以下より。