東京都内の家電量販店にて、ワイモバイルのモバイルWi-Fiルータ「305ZT」が引き続き「月間容量制限なし」をウリにして販売されていた。
■ワイモバイル「305ZT」の販促チラシ
ワイモバイルの305ZT向けのプランは、月間の通信量(高速通信可能な容量)が7GBまでに制限されているものの、通信速度制限を解除するためのオプション料金(500MBごとに500円)が、契約から二年間は無制限で無料になる「CA対応Pocket WiFi使い放題キャンペーン」によって、「月間の通信量」に関しては実質無制限となる。ワイモバイルの販売店ではこの点をもって「月間容量制限なし」という点が全面的にアピールされていた。
※複数の店舗を回ってみたけれど、基本的にはどの店舗でも「速度制限なし」という点が積極的にアピールされていた。
一方で「直近3日間の通信量が1GBを超えた場合」に適用される通信速度制限に関しては、Webサイト上に「通信速度制限の対象となる場合がある」という旨の注意書きがされており、実際に2015年4月ごろから速度制限の運用が開始され、従来は制限が行われていなかった端末向けに制限が適用されたことで、制限対象となるユーザに影響が発生した。
■通信速度制限に関する注意書き
■ワイモバイル:通信速度制限について(2015年3月)
掲載元:通信の制限について|Y!mobile(ワイモバイル)
ワイモバイルが2015年4月頃から制限を開始した理由としては、UQコミュニケーションズが展開する「WiMAX 2+」も、4月から「直近3日間で通信量が3GB」を超えると通信速度制限の対象になる場合がある。という制限を開始したことが考えられる。
UQコミュニケーションズの提供するWiMAXサービスは、従来より「通信容量・速度制限なし」を最大の武器としてきただけに、WiMAX 2+における速度制限を行うことは大きく報道されたものの、実際にはUQコミュニケーションズが「極端に通信速度を絞ることは無い」という旨を説明した通り、現時点で実利用に大きく影響がでる制限は行われていない模様。
関連エントリ:WiMAX 2+、直近3日間で3GBを超えても下り通信速度が100Mbps超えた | shimajiro@mobiler
それでも「通信速度制限の比較」というまとめかたをすると、通信速度制限が厳しいワイモバイルの「305ZT」と、(現時点では)それほど厳しい制限を行っていないと言えるWiMAX 2+のサービスが同一に「制限あり」とされてしまうのは、実際の速度制限内容を含めて考えるとやや乱暴であるように思う。
■家電量販店の「モバイルWi-Fiルータ比較」
そんなわけで、通信速度制限が単純に「制限あり」とされている場合でも、実際にどんな通信速度制限が行われているのかを確認した上で契約することをオススメ。
今回確認した家電量販店では、他社サービスに関しては「速度制限があるかどうか」を把握しているスタッフは居たものの、実際の速度制限の内容を細かく把握して説明を受けることは無かったので、この点についてはユーザ各自が事前に「実際には速度制限がどの程度厳しいのか」を確認しておくことをオススメ。