日本経済新聞は、携帯電話会社に対するSIMロック解除義務付けの方針を2015年5月以降に発売される機種を対象に義務付ける方針であると報道。
携帯電話各社のSIMロック解除については、総務省が2010年に定めた『SIMロック解除に関するガイドライン』(PDF)にて、事業者の主体的な取り組みによってSIMロックを解除すべき。という方針を示したものの、このガイドラインに従ってSIMロック解除に応じているのは、大手3社ではドコモのみという状況となり、ガイドラインの効力は限定的となっていた。
※ドコモもApple製品についてはSIMロック解除に非対応となっている。
今後の方針として、2015年5月以降に発売される新機種についてはSIMロック解除が義務付けされることから、現在のように(大手3社では)ドコモだけがSIMロック解除対応を行う。という状況が改善されることが期待できる。
一方で、SIMロックが解除されることで利用者が好きな携帯電話会社で利用可能となったとしても、SIMロック解除可能となった端末が、他社のネットワークで動作することが保証されているわけではないので、端末側が対応している周波数によっては本来のエリアやスピードが得られないケースや、最悪の場合は一切通信ができない。というケースが発生することも考えられるため、利用者側としてはSIMロックが解除によって端末とキャリアを自由に選ぶことができるようになる反面、該当の機種が正常に動作するかどうか、ユーザ自身で確認する必要が生じる点には注意が必要。
直近の事例では、KDDIのMVNOである『mineo』がAppleのiOS 8搭載機種では一切データ通信ができなくなる。などの問題が発生しており、ここまで大きな影響(通信が一切できなくなる)が出ることは稀だとは思うけれど、端末のSIMロックを解除して別の携帯電話会社のサービスを利用する場合、エリアが本来のエリアよりも狭くなったり、通信速度が遅くなるという問題が発生する可能性については、利用者自身が認識する必要がある。
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日本で販売される機種にSIMロック解除対応が義務付けられることで、日本人が海外でプリペイドSIMを購入して(国際ローミングと比べて)安価な料金でモバイルサービスを利用することが容易になる。という点でSIMロック解除には期待したいところ。
とは言え、SIMロック解除義務化で期待されている『カンタンに携帯電話会社を乗り換えられるようになる』という点は、携帯電話各社の設定している二年契約の解除料だったり、端末を割賦支払している関係で、それほど劇的な効果は見込めないのでは。というのが個人的な予想。