EMOBILE LTEなどのサービスを提供する『イー・アクセス』は、8月より香川県の一部地域で実施している、下り最大300MbpsのLTE規格での実証実験において、下り291Mbpsの通信速度を記録したことを発表している。
イー・アクセスの発表内容はEngadget Japaneseにて。
イー・アクセスが20MHz幅LTEで291Mbpsを達成、今後の事業計画を説明 – Engadget Japanese
イー・アクセスは、1.7GHz帯LTEを使った商用ベースの実証実験において、下り291Mbpsを記録したと発表しました。
2013年8月より順次拡大されている、EMOBILE LTEの下り最大75Mbpsエリアについては、LTE対応エリアのうち約40%となっており、年度内にはLTE対応エリア全域を下り最大75Mbpsエリアとする計画とのこと。
現在、EMOBILE LTE網は下り37.5Mbps対応エリアで76%(人口カバー率)、このうち75Mbps対応エリアはその4割弱。年度内にも80%までLTEエリアを拡大し、全域を75Mbps対応とする計画です。
イー・アクセスはソフトバンクに買収されており、同社の『EMOBILE LTE』は、ソフトバンクモバイルのiPhone 5以降が対応する1.7GHz帯(Band 3)のLTEネットワークとして利用可能(ダブルLTE)となっているため、EMOBILE LTEの高速化はイー・モバイルユーザだけでなく、ソフトバンクモバイルのiPhoneユーザにも影響する。
ソフトバンクモバイルは、iPhone 5s/5cの発売に合わせて、既存の2.1GHz帯(Band 1)の下り75Mbps対応エリアの拡大を行っており、EMOBILE LTEも下り最大75Mbpsエリアが広がることで、2つのネットワークが(従来と比べて)2倍速になることで『倍速ダブルLTE』というキーワードでアピールを行っている。
一方、EMOBILE LTEをソフトバンクモバイルが利用することについて、イー・アクセスの技術本部長は『ソフトバンクはMVNOなのでプライオリティコントロールを行っている』と発言しており、ソフトバンクモバイルのiPhoneで利用するEMOBILEのネットワークは、EMOBILEがMNOとして提供するEMOBILE LTEよりも通信速度などが制限される可能性がある。
また、ソフトバンクに買収されたことで、イー・モバイル網がソフトバンク網に取り込まれるといった意見がある一方で、本郷氏はこれを否定。「同じグループなのでやりとりはしやすいが、ソフトバンクはMVNO。他の事業者と同じようにプライオリティコントロールもしている」とコメントしています。
イー・アクセスが行った実験では、異なる周波数帯を束ねて利用するキャリア・アグリゲーションで利用する場合と比べて、連続した帯域を利用して通信を行う方が、下り通信速度では平均して5%、上り通信速度では平均して7%ほど通信速度が高速な結果となったこがとが発表され、連続した帯域を利用することで電波がより効率的に利用できる。ということがアピールされている。
イー・アクセスが求める、1.7GHz帯の追加割当の割当スケジュールなどは未定となっている中でのアピールは、同周波数帯の獲得がイー・アクセスにとって重要であることが理解できる。
現時点では周波数の割当スケジュールは、明らかになっていませんが、イー・アクセスが5MHz幅を獲得できなかった場合、事業計画の見直しが必要になりそうです。