ドコモ、LTEネットワークに関する説明会を開催 – 2014年度末にはLTEエリアが『FOMAと同等』に

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ドコモは、LTEネットワークに関する説明会を開催。LTEネットワークに関する現状や、発売間近となっているiPhoneで利用可能なネットワークおよび、キャリアアグリゲーションによる高速化や、今後のLTEネットワークに関する説明を行った。

■ドコモ:LTEネットワークに関する説明会を開催
LTE基地局は2014年度末で95,300局に

ドコモは、2014年度末にLTE対応基地局数が95,300局に拡大することから、FOMA対応基地局数110,000局と『ほぼ同等のエリア』になるとアピールした。

1.7GHz帯/1.5GHz帯は『フルLTE』と呼称

ドコモが提供しているLTEのネットワークのうち、1.7GHz帯と1.5GHz帯については利用可能な帯域を全てLTEに割当していることから『フルLTE』と呼称。同社が『フルLTE』という名称を発表したのは初めて。

『フルLTE』とされれる1.7GHz帯および1.5GHz帯のネットワークは、既に商用サービスが開始されており、新たに運用が追加されたり、通信速度の最大値が従来より早くなった。ということは特に無い。

■『フルLTE』をアピールするドコモ
フルLTEをアピールするdocomo

LTE-Advancedで下り最大225Mbpsに対応/iPhone向けはキャリアアグリゲーション非対応に

説明会の中でドコモは、キャリアアグリゲーションによる高速化については『下り最大225Mbps以上』での対応に限って導入することを明らかにし、下り最大150Mbpsまでの通信速度については1.7GHz帯にて提供すると説明。

■キャリアアグリゲーションによって下り最大225Mbpsを実現
キャリアアグリゲーションによって下り最大225Mbpsに対応

これによって、iPhone 6/6 Plus向けにはドコモのキャリアアグリゲーションサービスは利用することができず、1.7GHz帯による下り最大150Mbps対応エリアとなっている東名阪エリア以外では、2.1GHz帯または800MHz帯による下り最大75Mpbsでの利用が基本となる。
※2.1GHz帯または800MHz帯の15MHz幅を使い、下り最大112.5Mbpsを実現しているエリアもあるもののそれほど多くないので両周波数帯については『下り最大75Mbpsが基本』としている。

東名阪エリア以外での利用については、通信速度で下り最大75Mbpsが基本となるものの、トラフィックの3分の2が東名阪エリアに集中しているため、東名阪にて1.7GHz帯による下り最大150Mbpsや、1.5GHz帯による下り最大112.5Mbps(iPhoneシリーズは同帯域に非対応)に対応するエリアを広げることで対応すると説明された。

ドコモではキャリアアグリゲーションによる下り最大225Mbpsのサービスを2014年度内に提供予定。ドコモの運用している周波数では、以下の二つのキャリアアグリゲーションを導入予定。

800MHz帯(10MHz幅) + 1.7GHz帯(20MHz幅) = 30MHz幅(下り最大225Mpbs)
2.1GHz帯(15MHz幅) + 1.5GHz帯(15MHz幅) = 30MHz幅(下り最大225Mpbs)

700MHz帯(Band 28)の導入は2014年度内/下り最大75MbpsでCA対応予定はなし

iPhone 6/iPhone 6 Plusが対応する700MHz帯(Band 28)の運用開始については、なるべく早く利用開始できるように準備を進めており、具体的には2014年度中には利用が開始できる見込み。とした。

ドコモは700MHz帯の運用について、下り最大75Mbps(10MHz幅)にてサービスを提供、同周波数帯についてはキャリアアグリゲーション対応の予定は無い。とした。

iPhone 6向けのVoLTEは『できるだけ早く提供したい』技術的な課題は特になし

国内の事業者ではドコモが唯一提供している『VoLTE』のiPhone 6/6 Plus向けの提供予定については『できるだけ早く提供したい』と質疑応答の中でコメントした上で、技術的な課題があるわけではないことを説明。

大きな問題がなければ、発売開始後そう遠くない将来にiPhone向けにもVoLTEが提供されそう。

今回の説明会の中でドコモから公式にコメントがあったわけではないけれど、VoLTEについてはMVNOのSIMカードを挿した際でも利用可能であるため、おそらくSIMフリーのiPhone 6/6 Plus + MVNOのSIMカードの組み合わせでも問題無く利用可能と推測される。

思ったこと:LTEネットワークは確実に改善も、iPhone 6/6 Plusで考えるとインパクトに欠ける

iPhone 6/6 Plusの発売直前に開催されたドコモのネットワーク説明会だけれど、iPhone 6/6 PlusにキャリアアグリゲーションやTD-LTE(WiMAX 2+)を対応させたKDDIと比べると、iPhone向けにはキャリアアグリゲーション非対応となる上に、TD-LTEを提供していないドコモは派手さに欠ける。という点は否めなかった。というのが率直な感想。

とは言え、LTE対応の基地局数が『FOMAと同等』とドコモがアピールするほどに充実するのは嬉しいし、iPhone以外で考えれば、年度内にはキャリアアグリゲーションによって下り最大225Mbps対応のサービスが開始される。ということで、全体的な通信速度の改善を楽しみにしたいところ。