中国聯通香港が販売するプリペイドSIM「跨境王」に4G LTE対応版が登場したという情報を山根博士のモバイルネタにて知ったので、早速香港にて4G LTE対応版の跨境王を購入、中国(深圳)と香港で試してみた。
■4G LTEに対応する跨境王「跨境王4G香港號碼版」
[跨境王4G香港號碼版の概要]
商品名:跨境王4G香港號碼版
販売価格:HK$ 118
初期残高:HK$ 80
跨境王4G香港號碼版で利用可能なデータ通信パッケージは、データ通信量を中国大陸と香港で共有するタイプ。各種パッケージの料金と申請方法(コマンド)は以下。
[中国・香港向けデータパッケージ]
7日プラン:HK$ 48 データ通信量 300MB *118*600#
30日プラン:HK$ 68 データ通信量 500MB *118*601#
30日プラン:HK$ 118 データ通信量 1GB *118*504#
→上記プランは有効期間終了後に自動取消となる(再登録時は手動で手続必要)
その他、日本・台湾・マカオのデータ通信量は1KBあたりHK$ 0.02で、1日あたりの通信料上限はHK$ 68が適用される。日本・台湾・マカオでのデータローミング利用に関する申請などなどは不要。
跨境王4G香港號碼版の音声通話サービスは香港の電話番号のみとなっており、中国の電話番号は発行されない。(=中国・香港デュアルナンバーではない)
今回は、旺角(西洋菜南街)にある中国聯通香港のショップでプリペイドSIMカードを購入、香港でアクティベートをせずに、中国大陸でアクティベートを行うことができるかを試してみた。
■中国聯通香港のショップ(旺角 西洋菜南街)で購入
結論から言えば、中国大陸でのアクティベートは可能。ただし、期待していたように「SIMカードを挿せば自動的に電波を掴んでアクティベートが完了する」というような挙動では無かった。
■Galaxy S7 edge SC-02HにSIMカードを挿してもアクティベートできず
Galaxy S7 edge以外にも、Galaxy Note5(SIMフリー)にSIMカードを挿しただけではアクティベートが完了しなかった。マニュアルなどには特にアクティベートの操作に関するガイドが無かったので、中国聯通香港のカスタマーサポートに問合せを行おうと、別の回線から電話を発信したところでネットワークへのエントリに成功し、アクティベートが完了していた。
推測にはなるけれど、アクティベート成功のキッカケになった(と思われる)中国聯通香港のカスタマーサポートに電話をかけた状況としては、Galaxy Note5の片方のSIMに中国移動香港のデュアルナンバーSIMを、もう片方に中国聯通香港の跨境王のSIMを挿しており、中国移動香港のデュアルナンバーSIMで電話発信を行った時点で、跨境王のSIMが2G接続に切替となったことでネットワークへのエントリに成功、アクティベーションが完了した可能性があるので、中国大陸にてアクティベーションがうまくいかない場合はネットワーク検索で2G接続を試してみると良さそう。
■中国大陸でアクティベートに成功
アクティベーションが終了したので、データパッケージの申請を行う。アクティベーション方法は前述の通り、ダイヤルアプリからコマンドを打って申請。
■ダイヤラーでコマンドを打ってデータパッケージを申請
データパッケージ申請は特にトラブル無く受付がされたようで、データパッケージ登録完了を知らせるSMSを受信。
■データパッケージの登録完了を知らせるSMS
中国聯通香港のプリペイドSIMのAPNは以下。
[APN設定]
APN:3gnet
ユーザ名:なし(空白)
パスワード:なし(空白)
最初のアクティベーション時には(期待していたように)動作しなかったGalaxy S7 edge SC-02Hでも問題無く4G LTEでデータ接続が可能となった。
■Galaxy S7 edgeでも問題無く4G LTEデータローミングが可能に
ただし、データパッケージの購入が滞り無く完了したように見えた(SMSも届いた)にも関わらず、しばらく使っているとプリペイドSIMの残高を使い切ってしまったようで、深圳→香港へと移動した後にはデータ通信が行えない状況となってしまった。
中国大陸でのアクティベーションが思ったようにいかなかった原因としては、香港以外ではネットワーク接続方式が2Gでないとアクティベーションできない可能性が考えられるけれど、データパッケージの登録が正常に受付された(ハズ)なのにプリペイドSIMカードの残高を使い切り、データ通信が行えなくなってしまった理由は不明。
Webサイトに記載されている有効期間確認などのコマンドを打ってみても、なぜか企業の株価と思われるSMSが返ってくるなど、サービスが全体的に不安定な可能性もあるので、直近でこのプリペイドSIMカードを購入するのはもろもろ覚悟の上で。(とは言え、じきに各種問題は解決されるものと思われる)
中国聯通香港は、中国大陸向けの4G LTEサービスでFDD-LTEの1800MHz帯(B3)を使用しているため、TD-LTE非対応端末であっても4G LTEデータ通信が利用できるのがメリットと言える。ただし、最近は国内向け機種でも中国のTD-LTE周波数帯に対応する機種が増えている点は付け加えておく。
そんなわけで、中国大陸のTD-LTEに非対応の機種を使って、中国大陸からGoogle・Twitter・Facebookなどの各種サービスを利用するためのローミングSIMとしては有力な選択肢になり得る跨境王の4G LTE対応版だけれども、現時点ではもろもろサービスが不安定な印象は拭えないので、その点はある程度か覚悟が必要になりそう。
個人的には、TD-LTE対応機種を持っているのであれば、面倒なコマンド登録など不要で中国・香港の両方で10日間1.5GBのデータ通信が行える中国移動香港のプリペイドSIMカードを購入して使う方がお手軽とは思う。
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