総務省が立ち上げた「利用者視点からのサービス検証タスクフォース」における議論で、携帯電話サービスの「二年契約・自動更新」が解りにくく、利用者からの苦情に繋がっているとして、これを改善するための議論が進められている。
「利用者視点からのサービス検証タスクフォース」の資料は以下より。
「期間拘束・自動更新付契約」に係る論点とその解決に向けた方向性 – PDF
その他、一連の議事などに関しては、総務省のWebサイトにて公開されている。
総務省|ICTサービス安心・安全研究会|会議資料・開催案内等
一連の議論の成果として、新たに義務化されたルールなどは特に設定されなかったものの、一連の流れを受けてドコモが「1年プラン」のような中間の料金プランを導入する方針であると報道されている。
日経BPのWebサイトでの記事は以下。タスクフォースの構成員と事業者間の議論については平行線となったことが紹介されているもの、ドコモは自主的な取り組みとして定期契約の契約期間を1年間にする「中間プラン」を追加する方針。と報道されている。
ニュース – 携帯電話の“2年縛り”問題、ドコモは中間メニューの導入を検討へ:ITpro
結局、議論は平行線のまま終わったわけだが、NTTドコモは消費者保護の重要性を鑑みて、改善に向けた中間メニューを率先して導入する方針を固めた。詳細は今後詰めるが、拘束期間を短くしたり、違約金を安くしたりしたメニューの追加が有力とみられる。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクの各社は、現時点でも「契約期間縛りの無いプランを用意している」ことは事実ではあるものの、携帯電話キャリアの各種割引きの適用には定期契約(二年契約)が条件となっていることが多くなっているため、結果的には大多数のユーザが定期契約を(消極的ではあるかもしれないけれど)「選んで」契約しているのが実状。
一例として、事務局が実施したアンケートでは、街頭調査で8割近くが、インターネット調査では86%の利用者が期間拘束・自動更新付契約を選択していると回答している。
■「あなたが契約したプランは「2年縛り契約」ですか?」
掲載元:期間拘束・自動更新付契約に関するアンケート調査の結果について(PDF)
仮に、契約期間が1年間のプランや、契約期間の自動更新が無いプランが提供されたとしても、現時点で「定期契約なし」のプランが選ばれていないのと同様に、割引率の縮小や、キャリアの提供する各種割引きなどなどが適用されないなどの料金設定が行われることによって、現状と同様に「存在はするけれど、ほとんどのユーザが選ばない」プランになるのではと思う。