KDDIから発売された「Speed Wi-Fi NEXT W03」(W03)を、渋谷駅周辺の下り最大370Mbps対応エリアなどなどでスピードテストを行ってみた。
■W03でスピードテスト
■測定条件(共通)
PC：MacBook 12インチ(2015)
端末：Speed Wi-Fi NEXT W03
接続方法：USB接続
■グラフの説明
HS = ハイスピードモード(WiMAX 2+に接続)
HSPA = ハイスピードプラスエリアモード(FDD-LTEとWiMAX 2+に接続可能)
単位：Mbps
最初にテストを行ったのは、下り最大370Mbps対応エリアとされている渋谷駅周辺。
W03を入手してすぐにスピードテストを行ったため、人通りの多い日中昼間の時間帯でスピードテストをすることに。
■下り通信速度：下り最大370Mbps対応エリア – 平日お昼時間帯
このテストでは(全体的にそれほど速度が高速じゃないにしても)「下り最大370Mbpsが使えるハイスピードプラスエリアモードが高速」という結果に期待していたけれど、ハイスピードモードと比べて、明確にハイスピードプラスエリアモードの方が高速とは言い難い結果に。
平日昼間の渋谷駅周辺は非常に混雑しており、モバイルデータ通信の利用者も多い事が予想されたため、ハイスピードモードとハイスピードプラスエリアモードでの違いがより明確に現れることに期待して、翌日早朝(AM5時前後)に渋谷駅周辺にてスピードテストを行ってみることに。
平日早朝時間帯に実施したスピードテスト結果は以下。
■下り通信速度：下り最大370Mbps対応エリア – 平日早朝
早朝で人がほとんど居ない時間帯のテストだったため、下り・上り通信速度共に前日の日中時間帯のテストと比べると大幅に高速化されていたものの、期待していた「ハイスピードプラスエリアモードの方が圧倒的に高速」という結果は得られなかった。(早朝なら…と割と期待していただけに、個人的には残念なところ)
下り最大370Mbps対応エリア内であっても、ハイスピードプラスエリアモードで期待していたほどの高速データ通信を体感することができなかったけれど、逆にWiMAX 2+の電波が良好な状態では、ハイスピードモード(WiMAX 2+のみ接続)接続時の方が下り通信測度が高速になる。という現象が、渋谷駅やau SHINJUKUにて確認できた。
■下り通信速度：WiMAX 2+の電波良好なポイント
と言うわけで、下り最大370Mbpsに対応している渋谷駅周辺や、(下り最大370Mbpsには非対応)電波状況が良いau SHINJUKU内にて使ってみた限り、残念ながら「下り最大370Mbps対応エリアでハイスピードプラスエリアモードを使うと快適」という結果にはならず、逆にWiMAX 2+の電波状況が良い(と思われる)ポイントに関して言えば、ハイスピードモードの方がハイスピードプラスエリアモードよりも下り通信速度が高速な結果に。
WiMAX 2+が全国エリアでほぼ下り最大220Mbps対応が完了していることを考えれば順当とも言える反面「下り最大370Mbpsを体験したい」という目的に関して言えば達成できない残念な結果。
W03の下り最大370Mbps対応は、対応エリアが限られるという問題だけでなく、月間で利用可能な通信量が7GBまでに限定されるという問題も大きい。下り最大370MbpsはFDD-LTEとWiMAX 2+の3波CAによって実現されており、これはハイスピードプラスエリアモードに設定した際のみ利用可能となる。同モードでは、WiMAX 2+に加えてauの4G LTE(FDD-LTE)も利用可能となるものの、同モード設定時の通信量が7GBを超えると、同モード設定時だけでなくハイスピードモード設定時(W03ではWiMAX 2+のみ接続可能)も、通信速度が128kbpsに制限されるサービス仕様となっているため、月間の通信量には特に気をつける必要がある。
そんなわけで、ひとまず現時点では「下り最大370Mbpsに対応」がそれほど大きなメリットとは実感できなかったW03だけれど、NFC搭載でスマートフォンとの接続設定がカンタンに行えたり、バッテリ容量拡大による通信時間の延長が、W01/W02とほぼ変わらないサイズで実現されているという点では個人的に期待値は高め。
下り最大370Mbps対応エリア拡大にも期待しつつ、端末の使い勝手などなども追ってレビューしていく予定。
Speed Wi-Fi NEXT W03の製品紹介は以下にて。
Speed Wi-Fi NEXT W03（スピードワイファイネクスト ダブルゼロサン） HWD34 | データ通信端末 | au